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Fedibirdってなに?(紹介)

この記事は、Fedibird Advent Calendar 2019の1日目の記事です。

ひとまず導入として、Fedibirdについて改めて説明しておこうと思います。


Fedibirdは、SNS・マイクロブログ機能を提供するWebサービスの一つです。

短い文章や写真やイラスト・映像・音声を投稿できる仕組みの中で、発信し、楽しみ、フォローし、リアクションし、共有することを通じて、より楽しく便利な情報交換と交流の場を提供しています。

従来のSNSとの大きな違いとして、Fedibirdと世界中の様々なサービスが互いに繋がっていて、Fedibirdを通じて大きなひとつのネットワークに参加することができるという特徴があります。この大きなネットワークのことをFediverse(フェディバース)と呼んでいます。

まず、少しだけFediversの話をしましょう。

Fediverseには、マストドン(Mastodon)、プレロマ(Pleroma)、ミスキー(Misskey)といったSNS・マイクロブログシステム、PixelFedなど写真共有システム、PeerTubeなど動画共有システム、WriteFreelyなどブログシステム、などなど様々なサーバプログラムがあり、それらがお互いに繋がっているので、それぞれのシステムからお互いの投稿を見たり、フォローしたり、リアクションしたり、共有することができます。

また、これらのサーバプログラムは誰でも新規に設置して自分で管理することができるため、世界中でたくさんのサービスが運営されています。それらに参加することもできるし、自分だけのために設置することもできます。

現在、TwitterやFacebook、Instagram、YouTubeなど、大きな企業が運営する巨大なサービスがよく知られ広く利用されていますが、これらは大規模にユーザーを集めて囲い込み、ユーザーの属性や行動を分析し、繋がりを促して拡散しやすい状況を作り、広告効果を高め収益を得ることで成り立っており、それぞれが単一の巨大サービスであるためルールの柔軟な運用が難しく、サービス内容の変更や廃止が多くの人に影響するなど、依存度が高まることで様々な弊害が生まれています。

こうした流れをうけて、必要な人が自由に設置でき、より小規模で経済的に負担が小さく、それぞれの規模が小さくともお互いに繋がって補い、広告主ではなくユーザーの利益を優先し、特定サービスへの依存を少なくすることができる、より自由なSNSの仕組みが構築されてきています。

この新しい仕組みは、サービスが相互に接続・連合(Federation)して、一つの大きなネットワーク・いわば宇宙(Universe)を形成するということで、Fediverseと呼ばれています。また、大きな権威に依存しない脱中央集権型の分散システムということで、分散SNSとも呼ばれています。

大流行させないと成功できない商業的サービスが派手に取り上げられるのと異なり、広報も地味であまり目立たないかと思いますが、日々着々と基盤が整備され、地道に発展しています。

さて、Fedibirdの話に戻りましょう。

Fedibirdは、Mastodon(マストドン)というシステムに少し手を加えたサーバプログラムで運用されており、基本的な部分はMastodonそのものです。Mastodonの開発元だけではカバーしにくい仕組み・実験的な機能を提供したり、他のサービスとは異なる運営ポリシーをとって不足を補うことで、Mastodon並びにFediverseの発展に寄与することを目的に運営されています。

現在の状況としては第一期といったところで、同じMastodonで運営されている他のサーバから、ウワサを聞きつけて登録したユーザーが少しずつ利用し始めているところです。これを書いている2019年12月1日の時点で342人のユーザーが登録しており、70%程度のユーザーがログインして利用しているようです。

特徴としては、Mastodonに標準装備されている『ローカルタイムライン』という機能を無効にしていることが一番に挙げられます。

Fediverseのサーバは、同じサーバに登録したユーザー同士の投稿を見ることができるローカルタイムラインを実装しており、その存在により利用開始直後から多くのユーザーとコミュニケーションをとることができ、それぞれに独自のコミュニティが形成される面白さがあります。これは、サーバ設置者にとって設置の動機付けともなるもので、Fediverseの発展を助けてきた重要な機能です。

Fedibirdでは、これを敢えて無効にすることにしました。

所属しているサーバを意識せずに、Fediverse全体を見渡して利用できる環境を作りたかったためです。

他の特徴も、ローカル廃止と基本的には同様の考え方で、MastodonなどFediverseのサーバがこれまで想定してきた利用方法とは異なる、あまり試みられてこなかった利用方法を発見できるような機能を揃え、提案しているというところになります。

たとえば、SNSではフォロー・フォロワーによる繋がりが基本となりますが、これを友人関係とみなす傾向があるため、単に投稿内容に関心があるだけの場合に使いづらくなっています。そのため、あらためて『購読』という考え方を取り入れ、公開投稿を一方的に取得するだけの機能を追加しました。

購読は、指定ユーザー以外に、特定のハッシュタグ付きの投稿、特定のキーワードに一致する投稿など、より関心を軸に切り込めるように機能を拡大しています。これにより、フォローを超えた利便性を得ることができました。

まだまだ試したいと思っていることがたくさんありますが、そういった新しい提案を投入し、利用者とともに試していく活動が行われる場であるということが、最大の特徴ではないかと思います。

これからどんなことをやろうと思っているのかについては、後日あらためてお話したいと思います。

Fedibirdに興味のある方は、実際に登録して試されることをお薦めします。https://fedibird.comから登録いただけます。